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視覚障害者就労相談人材バンク ~私たちの就労経験を伝える~

転職・就職活動検討分科会が開催されました。

 2月6日に転職・就職活動検討分科会が開催され、事例紹介や現状・課題を共有し、情報交換を行いました。詳細は以下のとおりです。

【転職・就職活動検討分科会 実施報告書】

1. 日時・場所
(1) 日時  2021年2月6日 土曜 13時30分~16時30分
(2) 場所  Zoomによるオンライン開催

2. 参加人数  21名

3. スケジュール
 13時30分 開会の挨拶・連絡事項
 13時35分 就職・転職事例紹介 平井・木村・坂本
 14時 ゲストによる視覚障害者の就職・転職活動についての現状と課題、事例紹介(元地方労働局職員)
 14時25分 休憩
 14時35分 就職・転職についての意見交換
 16時 まとめお呼び閉会挨拶
 16時5分 終了
 (以降16時30分頃までフリータイム)

4. 内容
(1)PF平井・木村・坂本それぞれの就職・転職体験談発表。
<発表内容要約>
①平井
*20数年前の転職活動を発表
*当時住んでいた管轄外も含めてハローワークを中心に転職活動を進めた
*8社にアプローチし、4社と面接したが、その際に障がい者に対する制度やなぜ障がい者を雇用するのかを尋ねたもののあまり印象的な回答はなかった
*障がいの有無に関係なく、就活の基本は「相手の研究」と「自身が何をしたいかを伝えること」ということだと思う
②木村
 私は、全盲です。2011年、職業訓練校在籍中に就活をしました。
世の中には、目が見えないと何もできないと思っている人がたくさんいます。視覚障害者が白杖を使って一人で歩き、パソコンを使って仕事もするということをそのような人たちに伝えていきたいと思っています。目が見えなくても、道具を使うと仕事も日常生活もできるんだということを。
 また、これから就労を目指す視覚障害のある方々には、できれば、視覚障害者を対象とした職業訓練を受けることをお勧めいたします。ITの知識だけでなく、社会人としてのビジネスマナーを学べるし、就労にプラスになる資格試験の受験もできます。
 職場では、自分には何ができて、どのようなことができないかをはっきりと周りに伝えることが大切です。そうすれば、理解してもらえて、自分にできる仕事をさせてもらったり、どのようにすればできるかを一緒に考えてもらえます。
③坂本
 私が本格的に就活したのは、29歳から、パソコンの勉強をしながら面接会へ行ったりしたが、就職先が決まらず、三療に戻る。
 40歳のころ、視覚障害者の支援事業所ができたので、そちらで2年通いながらハローワークや面接会などへ参加。某事業所へ勤務となったが、昨年退職し、就労支援に携わりたいため支援従事者やサービス管理責任者になるため活動している。
 過去、よく面接で聞かれたのは障害のこと、通勤をどうやって行うのか、パソコンなどはどうやって使うか。だが中には「音声化ソフトを入れたくない」「ホームレス雇うほうがいい」などと言われたこともあります。

(2)ゲスト(元地方労働局職員)による視覚障害者の就職・転職活動についての現状と課題、事例紹介
● 視覚障害者の就職の現状を報告していただきました。
● 視覚障害者が就労するために労働局としてどのようにアドバイスし、サポートしてきたかを実際に行った事例に基づいて、2案件の報告をいただきました。
● まとめとして、「パソコンのスキルを身につけるとともに、どのような仕事ができるか(できない仕事という視点ではなくて、「私は、このような仕事であればできるということ)を、アピールすべき」とアドバイスをいただきました。
●ハローワークを中心とした支援機関も、障害特性や視覚障害者の障害特性を十分に踏まえたうえで、企業に対して、就職希望者の働き方への助言や提言ができるようになるべきではないかということでした。
※コロナ禍における視覚障がい者の就職状況は、一般の求職者が増え、求人が減っていることから、障害者も厳しい状況であると推測されるとのことでした。

(3)参加メンバーによる就職・転職についてのフリーディスカッション
以下の項目について質問・回答、意見・提言が述べられました。
●障がい者支援に特化したハローワークの設立経緯と意義
●特例子会社の採用状況
●視覚障がい者が就職するための外部環境と当事者のスキル
 ⇒就職活動におけるアピール力アップのプログラムが必要ではないか
●視覚障がい者の就労定着状況
●障害者雇用促進法の趣旨に照らしたあるべき就労状況
 ⇒健常者とともに働くことは、障害を理解してもらうために意義があるのではないか

5. その他
(1) 分科会プランニングファシリテーター振り返り
①平井
*元労働局において視覚障がい者の就職に携わっておられたゲストスピーカーを招いての事例をお聞きできたのは、SJBにとって有益であった
*予めテーマや質問をお受けしていた内容の深い議論にはならず、ゲストスピーカーへの質問に終始してしまったのは残念であるとともに、新たな知見もえることができ一定の意義はあったのではないかと思う
*行政など制度の話題にもなったが、事務局から他(行政宛要望)部会への引継ぎ案件として検討をお願いしたい
②坂本
 良い分科会イベントになったと感じている。参加者の思いが出る、有意義な時間だったのではないでしょうか。
みんなの思いが社会に届きますように。
③木村
 特にフリーディスカッションは盛り上がりました。それだけ、バンクメンバーの皆が視覚障害者の就労について真剣に考え、日々、行動しているのだと思いました。
 ゲストの方には、かなり突拍子もない質問にもお答えいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。アドバイスいただいたことを忘れずに、これからも視覚障害者の就労の役に立つように行動していきたいです。
 ありがとうございました。

(2) 事前質問・課題への回答について
①視覚障がい者が就職のために身につけるべきスキルについて
②就職を希望する視覚障がい者に対して、就職支援者(ハローワーク等)及び採用者(企業等)が、就職あっせんや採用に関して、どのように考えているのかについて
③コロナでの視覚障がい者の就職状況について
④AI化の進展による職域について
⇒①~③は、上記「4.内容(2)ゲスト(元地方労働局職員)による視覚障害者の就職・転職活動についての現状と課題、事例紹介」を参照。④については、部会内では論じられなかったが、AI導入による功罪はまだ定まっていないと思われるため、明確な回答は現在は、出せないであろう。

◆事務局スタッフからの一言

 3名のPFさんから就職・転職活動の体験をお聞きし、ゲストの支援者さんから視覚障害者の就職状況と事例についてお話しいただきました。
視覚障害者の就職活動が容易ではないことを再認識しました。
難しいから諦めるのではなく、難しいと分かっているからこそ、自分に何ができるのか、何がしたいのかを明確にし、資格を取得するなど、諦めずに活動を続けることが大切なのだと感じました。

 ディスカッションの中では、視覚障害者の就労に特化した支援体制の構築や人材の育成、国などによる支援策の充実の必要性が指摘されました。
現状では、障害特性や適性を十分理解した就労支援や障害特性をカバーするような訓練などの支援策が不足しています。
政策を拡充いただけるようアピールしていくことが求められると感じました。

 また、視覚障害者と健常者との相互理解の必要性などについても議論があり、健常者とともに働くことで理解が深まるとの指摘がありました。
もちろん、健常者とともに働くのがつらいという方もおられると思います。
だからこそ、それができる当事者は視覚障害の特性も伝えながら、それぞれの個性を発揮して人としての存在感を出していくことで、少しずつ視覚障害者の就労への理解が社会全体に広がっていくと思います。
まさに、私たち人材バンクのテーマである、働く視覚障害者の事例を伝えていくことの意義がそこにあるのではないでしょうか。

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